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3-3 地球温暖化を防ぐための国際的な取り組みについて

1980年代後半から、地球温暖化防止のための取り組みの必要性が認識されるようになり、1992年に国連のもとで、世界の国々が地球温暖化に取り組むための約束である気候変動枠組条約が採択され、その後各国の署名・批准を経て1994年に発効しました。この条約の目的は、『温暖化防止のため、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させること』です。(参考資料/気候変動枠組条約の説明)

ただし、枠組条約の名からも想像されるように、この条約自体には、各国の具体的な排出削減義務までは規定されていませんでした。しかし、その後の締約国による協議のなかで、先進国の温室効果ガス排出量について法的拘束力のある各国ごとの削減義務を定めた京都議定書が採択されました。京都議定書では、どの国が、いつまでに、地球温暖化の原因となっている温室効果ガスを、どれだけ、減らすかが決められています。具体的には、先進国全体で、2008年から 2012年まで(第一次約束期間)に、二酸化炭素、メタンなど6種類の温室効果ガスを、1990年に排出していた量(3種類の気体については、基準年を 1995年にすることもできる)よりも5.2%削減するという約束です。日本は6%減らすことを約束しました。この京都議定書は、採択から7年余りをかけて細部の協議が進められ、2005年2月に発効しました。

京都議定書における、達成状況はどうだったのでしょうか。日本は、-8.4%と目標の-6%を達成したと公表しています。EUは-8%の目標に対して12.2%と大きく達成しており、ドイツについてはは-21%という大きな目標に対して-23.6%と大幅削減を達成したことをEUとは別に、個別に発表しました。

<参考>国立環境研究所資料:京都議定書達成目標値と達成状況

そのうえで、2015年にフランス・パリにおいて開催された 国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)では、新たな法的枠組みとなる「パリ協定」を含むCOP決定が採択されました。
パリ協定は、「京都議定書」の後継となるもので、2020年以降の気候変動問題に関する国際的な枠組みです。

このパリ協定の発効には55ヵ国以上が批准し、その排出量が世界の温暖化 ガス排出量の55%に達する必要がありましたが、採択の翌年2016年10月5日にこの条件を満たし、同年11月4日に発効されました。京都議定書では一部の先進国に温室効果ガス排出削減が限られていたのに対し、このパリ協定で は世界各国が新たな枠組みに対する約束草案を国際気候変動枠組条約事務局に提出しており、先進国だけではなくすべての国において取り組みが進むことが期待されています。

2021年には、アメリカの大統領として就任したバイデン大統領が、トランプ大統領時代に脱退したパリ協定から一転、復帰することを表明しています。今後は、世界一丸となったさらなる取り組みが必要となります。

もっと知りたい人へ

JCCCA「京都議定書について」
JCCCA「条約年表」
環境省 「京都メカニズム情報コーナー」
経済産業省 「京都メカニズム利用ガイド」
UNFCCC 「京都メカニズム:共同実施、クリーン開発メカニズム、排出量取引」(英文)
Kyoto Protocol mechanisms: “Joint implementation”, clean development mechanism and emissions trading

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