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COP16/CMP6、決定を採択して閉幕

最終日の12月11日(土)午前4時前(カンクン現地時間)、気候変動枠組条約第16回締約国会議第(COP16)と京都議定書第6回締約国会合(CMP6)は、カンクン合意を採択して閉会しました。

カンクン合意は、COPとCMPの決定からなっており、CMP決定は京都議定書の第2約束期間を想定した決定になっており、先進国の2013年以降の削減目標について、平均気温の上昇を2℃程度に抑制するためには2020年までに先進国は90年比で25-40%削減しなければならないとのIPCCの第4次評価報告書の知見を認識して、第1約束期間と第2約束期間の間に空白期間を開けないように検討することになっています。また、京都議定書に参加していないアメリカや途上国に関するCOP決定も、2℃未満を認識し、世界の温室効果ガスの排出量をできる限り早くピークアウト(排出量をピークから削減に向かわせる)するとされています。アメリカの排出削減目標については、議定書の先進国と同様の文言で、補助機関会合の情報文書に書き込み、それを留意することになっています。途上国の削減行動についても、情報文書に書き込み、それを留意することになっています。

カンクン合意には、IPCCの2020年に90年比で40%削減と、現在締約国が提示している約束(削減目標)との間には10億トンレベルの開き(ギガトンギャップ:Giga ton gap)があることへの言及がなく、この決定はCOP17で合意される枠組みが「法的拘束力」を持つものとなるかを予断するものではまったくないとされ、ピークアウトの時期も特定されず、長期目標も「大幅な削減」と50%などの具体的な数字がないなどの問題もあります。

しかし、ひとまずは来年南アフリカのダーバンで開催されるCOP17に向けて、合意の足がかりとなる重要な成果をあげたと評価できると思います。

カンクン合意が採択された時は、拍手が鳴り止みませんでした。

執筆:早川光俊
(一般社団法人地球温暖化防止全国ネット運営委員/地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)専務理事)
 

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