カンクンメッセでは連日さまざまな展示や発表などのサイドイベントが行われます。
この日訪れたのはGGGI(Global Green Growth Institute)のブースです。GGGIはソウルに拠点を置く国際NPOで、持続可能な環境と気候保護、エネルギーセキュリティーの観点とともに貧困をなくしながら社会が経済的にも発展する「green growth(緑の成長)」を進めることを目的としています。このブースではTシャツに「COP16」「GGGI」のスタンプを押して配布していました。20人ほどの列ができ、大人気です。緑を基調に手を取り合うデザインも素敵ですね。
また会場内にはホールが設置されており、各団体が発表を行います。ドミニカ共和国主催のイベントでは、ラテンアメリカやカリブ地域での気候変動に関する教育や啓発活動の事例紹介が行われました。
エルサルバドルからは気候変動に対する関心を喚起するためのミュージックビデオの紹介です。「踊りたくなったら踊ってもいいですよ」という司会者の言葉の通り、リズミカルで聴いていて楽しくなる音楽です。
ペルーやホンジュラスからは環境教育の事例発表。ペルーの発表者からは「気候変動はペルーの高地に住む人々に大きな影響を与える。だからそこに住む人々に教育を施し、関心を喚起することは非常に重要なことである。」との言葉に始まり、教師の環境教育の能力を強めることを目的としたプログラムを実施し、幼稚園、小学校、高校のいずれにおいても成果を挙げたことが発表されました。
最後にジャマイカのミュージックビデオの上映です。歌詞は非常にダイレクトに「♪気候変動は現実に起こっている 海面は上がっている 私たちはやるべきことをやらなければいけない 今すぐ行動を!」と歌っています。複数のアーティストが参加し、「このビデオの製作を通してアーティスト自身も環境に対する関心が高まった」とのことです。そしてジャマイカの発表者からは、他のパネリストに対して「音楽やミュージックビデオを作ることはどれくらい人々の関心を喚起するか調査した結果はありますか?私たちははまだ行っていないので知りたいと思っている。」と質問が出されました。ちょうどここで時間切れとなり、回答の時間が無かったことが非常に残念です。啓発活動を行う中でそれを一般の人々がどのように受け止めたのか、是非知りたいと思います。
執筆:江刺家由美子
(宮城県温暖化防止活動推進センター)