目次
条約の概要監修
究極の目的
温暖化防止のため大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させること
条約の主な内容
全締約国の義務(途上国を含む)
- 温室効果ガスの排出及び吸収の目録の作成と定期的更新
- 具体的対策を含んだ計画の作成・実施
- 目録及び実施した又は実施しようとしている措置に関する情報を締約国会議へ送付(実施時期及び期限等の実施に関する具体的規定はない)
先進国の義務:
温室効果ガスの排出量を2000年までに1990年の水準に戻す(努力目標)ことを目的に、
- 温暖化防止のための政策措置を講ずる
- 排出量などに関する情報を締約国会議に報告する
- 途上国への資金供与、技術移転を行う(市場経済移行国は除く)
気候変動の悪影響への対処
途上国のニーズや関心を満たすために、必要な行動を検討する
途上国に対する資金メカニズム
地球環境ファシリティ(GEF)を途上国の温暖化対策を支援するための資金メカニズムとして指定
経過
- 1992年5月 国連総会で採択
- 1992年6月 国連環境開発会議(地球サミット)(ブラジル・リオデジャネイロ)で署名が開始され、日本を含め155カ国がこの会議で条約に署名
- 1993年5月 日本の批准
- 1994年3月 条約発効
締約国会議
この条約は、枠組条約という名が示すとおり、地球温暖化防止についての枠組を規定しており、具体的な削減義務までは規定されていない。そのような部分は、条約の締約国が集まって開催される締約国会議(COP:Conference of the Parties)に委ねられた。第1回締約国会議は、1995年3月にベルリンで開催され、2000年以降の取り組みの検討課題や手順を定めた「ベルリン・マンデート」を採択した。その後、概ね毎年1回のペースで開催されている。
締約国会議についての解説:: 締約国会議、補助機関会合とその議長たち
第3回締約国会議が1997年12月に京都で開催され、この地球温暖化防止京都会議で先進国の温室効果ガス排出量について法的拘束力のある各国ごとの数値約束を定めた「京都議定書」が採択された。