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COP22会場ってどんなところ?

 今日のレポートでは、COP22会場を案内します。COP22会場は、交渉が行われる会議場やオブザーバー団体主催の展示やサイドイベントが行われるブルーゾーンと、企業等が製品やプロジェクトに関するPRを行うグリーンゾーンとに分かれています。ここで紹介するのは、ブルーゾーンです。


写真1:ブルーゾーンの案内板を見るCOP22参加者

 

 ブルーゾーンは、エリアAからJに分かれています。ブルーゾーンだけでもとても広いんです!

エリアA:COP22及び気候変動枠組条約事務局のオフィス
エリアB:プレナリーホール
エリアC:レストラン
エリアD:各国代表団オフィス、パビリオン
エリアE:サイドイベント会場、展示ブース
エリアF:VIPエリア
エリアG:メディアセンター
エリアH:会議室
エリアI:各種案内所
エリアJ:セキュリティー

 このうち、私がよく行くところをご紹介しますね。

 まず、エリアB、プレナリーホールです。「COP」といわれて、皆さんが思い浮かべるのは、写真2のような、新聞やテレビで取り上げられる全体会合の風景だと思います。


写真2:COP22開会会合の様子

 

 全体会合が開かれる大きな会議場をプレナリーホールと呼びます。プレナリーホールの名前は、開催国の都市、河川、植物などにちなんで名づけられることが多いですが、今回は、マラケシュとカサブランカと名付けられています。


写真3:プレナリーマラケシュの入り口

 

 エリアHには、様々な大きさの小会合用の会議室があります。交渉は、ずっとプレナリーホールでやっているわけではありません。今回、何を話し合うか(議題)を全体会合で決めた後、「コンタクトグループ」とか「非公式協議」などと呼ばれる、議題ごとに設置された小グループに議論の場を移します。一口に「小グループ」と言っても、会合によって規模が異なります。参加人数10数人ほどの文字通りの小会合から、全体会合の会議場を使うようなものまであります。また、小グループでの会合については、NGOなどのオブザーバーが傍聴を許される会合とそうでないものとがあります。小グループでの議論の結果をCOPやCMPなどの全体会合に報告し、採択されれば、COPやCMPなどの合意内容となります。


写真4:小グループ会合の会場で開かれているワークショップの様子。これは大きな会議室です。

 

 エリアBには、食堂があります。コーヒーショップは、エリアBだけではなく、あちこちにあります。


写真5:食堂の様子。寿司を売っているコーナーは、Kanpai(乾杯)と名付けられていました。なお、今回は、お酒を置いているお店はありません。

 

 食堂には、モロッコ料理だけではなく、中東料理、ガレットや寿司など、いろいろな料理のコーナーがあります。この日は、海老フライが入ったカリフォルニアロールとベトナム風サラダ(何がベトナム風なのかよくわかりませんでしたが…)を食べました。


写真6:カリフォルニアロールとベトナム風サラダ

 

 エリアEには、展示ブースやサイドイベント会場があります。多くの国際機関、研究機関、NGOなどは、ブースを設置して、自らの取り組みや研究成果、主張などをアピールします。国立環境研究所も、今週、展示ブースを設置して、研究成果のPRに務めました。また、多くの団体が、研究成果等について、発表し、参加者と議論するためのサイドイベントが開催され、活発な意見交換が行われています。


写真7:国立環境研究所の展示ブース

 

 エリアDは、5つの建物に分かれていて、各国代表団のメンバーが作業や打ち合わせをしたりするスペースや、各国の温暖化対策に関連する情報や研究成果などをPRするためのパビリオンが設置されています。日本政府もジャパンパビリオンを設置しています。


写真8:ジャパンパビリオンの様子。日本の低炭素技術として、鉄道システムなどを紹介するため、ジオラマを展示しています。

 

 気候変動COPは、政府関係者が今後の国際レベルの温暖化政策をどのようなものにするかを交渉する場であるのはもちろんですが、国際機関職員、企業等でビジネスを展開する人々、自治体の政策に携わる人々、投資家、研究者、市民団体など、多くのステークホルダーが集い、関連する成果や情報を交換しあい、気候変動政策について活発に議論が交わす場でもあるのです。

 皆さんにご覧に入れたい写真は、まだまだあります。明日以降のレポートに盛り込んでいきたいと思いますので、お楽しみに!

 

文・写真:久保田 泉(国立環境研究所社会環境システム研究センター主任研究員)

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