こちらは、会場内の「シャンゼリゼ通り」。
写真1:会場内のメインストリート。「シャンゼリゼ通り」と名付けられています。ミニエッフェル塔もここにあります。
5日の記事に書いた通り、5日晩に開催されたCOP21全体会合で、2020年以降の温暖化対処のための国際枠組みについて記された、「パリ成果草案」がADPからCOPに送られました。そして、ファビウスCOP21議長は、7日(月)からの議論の進め方について提案し、各国がこれを了承しました。
2週目の「パリ成果草案」に関する議論は、以下のように進められます。
・パリ委員会(Comité de Paris)を設置する。ファビウスCOP21議長が委員長を務める。
・パリ委員会は、毎日、少なくとも1回開催される。オブザーバーの参加も可(ただし、パリ委員会開催会場に入場できるオブザーバーの人数は、安全確保の観点から、制限される)。
・パリ委員会運営の原則は、①すべてに合意するまでは何も合意しない、②参加の包括性(inclusiveness)の原則、③透明性の原則。
・パリ委員会の下に合意成立の鍵となる4つの問題(i) 支援(資金、技術、キャパシティ・ビルディング)、ii)差異化、iii)野心、iv) 2020年までの対策強化)について、小グループを設置する(筆者注:その後、各国の要請により、小グループの数が増えました)。この小グループは、1名ないし2名の閣僚級が進行役を務める。小グループ会合に出席できるのは、政府代表団のみ。
・進行役を務める大臣は、①パリ成果草案が最終日に合意として採択されるよう、締約国に妥結案を出すよう促し、②12月8日(火)夜までに協議の結果を反映させた文書を出す。
・合意文書案のリーガルチェックを行うグループを設置する。
写真2:会場内の食堂などで使われているCOP21ロゴ入りのリユースカップ。1ユーロ上乗せして払い、カップを返すと1ユーロ返ってきます。
さて、日曜日は、会議がない唯一の日(今回は、夕方に、政府代表団しか入れない会合が予定されたため、「NGOにとっては」ということになりましたが)。ルーヴル美術館とシャンゼリゼ通りに出かけてきたので、少し紹介します。
まずは、ルーヴル美術館へ。
写真3:ルーヴル美術館外観。
モナリザ、サモトラケのニケなどを見て回りました。元オリエンテーリング部という強力な味方がいたおかげで、迷子にならずに、芸術鑑賞することができました。
写真4:サモトラケのニケ
中からナポレオン広場を見た景色も印象的でした。
写真5:ナポレオン広場とルーヴル・ピラミッド
こちらは、“本物の”シャンゼリゼ通り。「最も美しい通り」とも言われます。クリスマス前ということもあり、本当にきれいでした。
写真6:シャンゼリゼ通り。奥に見えるのは、コンコルド広場の大観覧車です。
シャンゼリゼ通りのあちこちにあった自転車発電に挑戦する人たちを眺めながら歩き、
写真7:自転車発電に挑戦する人たち。ブランコバージョンと回し車バージョンもありました。
クリスマス・マーケットを見て、
写真8:サンタクロースと記念撮影する人たち
写真9:クリスマス用の飾り。とてもきれいでした。
お茶を飲んで、ちょっと休憩してから、宿舎に帰りました。
写真10:マカロン
シャンソン(またはフレンチポップス)の「オー・シャンゼリゼ」(原曲タイトルは、Les Champs-Élysées(シャンゼリゼ通り))という曲は有名ですよね。この記事を書くにあたり、原曲の歌詞はどんなのかな?と思って調べてみたら、”Il y a tout ce que vous voulez aux Champs-Elysées”(訳:あなたが欲しいものは何でもあるのさ シャンゼリゼには)という部分がありました。
私たちの望むパリ合意もシャンゼリゼ通りにあることを信じつつ、2週目も交渉を見守っていきたいと思います。
文・写真:久保田泉(国立環境研究所社会環境システム研究センター主任研究員)