今日(12月5日)から、COP17/CMP7も後半戦に入りました。2週目に入って、会議場に人がだいぶ増えたように感じます。ダーバン会合の会場は、施設も整っているし、会議場とサイドイベント会場も近いし、今のところ快適に過ごせているのですが、電源の数が少ないのが難点です。先週は、それでもコンピューターセンターの空席を見つけて、会議の合間にPCを充電できていたのですが、今日はほとんどできませんでした。
ほとんどの小グループ会合が非公開となってきていて、NGOは、全体会合やストックテイキング会合などで交渉の進捗状況を知るしかありません。今日は、午前中に開催された、AWG-LCAの全体会合の様子をお知らせします。
12月3日の記事にも書いた通り、リーフシュナイダーAWG-LCA議長は、3日のストックテイキング会合において、テーマごとの小グループでの議論を踏まえて、新しい統合文書を作ったことを紹介しました。今回の全体会合では、この文書を基に非公式協議で作業を進めてよいか、手続きの確認がなされました。また、この統合文書の内容全般についても、様々な意見が示されました。
この手続きについては、途上国グループの代表が、非公式協議での議論の結果が十分にこの文書に反映されているとは言えないため、この文書を基に交渉を進めるべきではないと述べました。特に、中国とサウジアラビアは、この姿勢をはっきりと打ち出していました。ただし、他の途上国の中には、この文書を交渉の基盤として受け入れると発言していた国も少なくありませんでした。意見がきちんと統一されているわけではないようです。他の国々は、この統合文書に完全に満足しているわけではないが、議長が示した手続きを受け入れると述べました。
リーフシュナイダーAWG-LCA議長は、5日及び6日の小グループでの議論を踏まえて、この統合文書の改訂版を水曜日に公表すると述べました。この作業を進めるうえで、COP17議長との議論も行われているようです。また、同議長は、会期の残りの日程でAWG-LCAの作業を終えられることに自信を持っているとしましたが、閣僚レベルの決定も必要だとの見解を示しました。
写真 議事を進めるリーフシュナイダーAWG-LCA議長(米国)
ところで、中国の交渉官が、2020年以降発効する議定書への参加を条件付きで受け入れる可能性を示唆したという報道が4日に出ました。今日は、「『条件付き』とはどのような条件だろう?」「交渉にどのような影響を与えそうか?」などなど、会場のあちらこちらでこの報道が話題になっていました。
執筆:久保田 泉
(国立環境研究所 社会環境システム研究センター)