最終日は、第10回締約国会議(COP10、コップテン)の全体会合が開催されました。主な内容は以下のとおりです。
第11回締約国会議(COP11、コップイレブン)の場所
次回第11回締約国会議(COP11、コップイレブン)は、京都議定書の締約国会合(COP/MOP1、コップモップワン)と一緒に開催されます。COP10では開催地として正式に立候補している国はなく、2005年前半に開催国を募ることになりました。
クリーン開発メカニズム(CDM)理事会における問題について
大きな争点であった、CDM理事会における意思決定手続きの透明性の向上については、アメリカが主張していたCDM理事会と同室で傍聴することが基本的に認められましたが、部屋のサイズや予算などを理由に、理事会が部屋に入るのを理事メンバーと事務局スタッフに限る判断ができることになっています。また、 CDM理事会が会議を非公開とすることや、会議の大きさを決めることができるものの、京都議定書を批准していないアメリカのような国も他の傍聴者と同様に傍聴できるように理事会は可能な限り対応しなければならないことになりました。
モントリオール議定書をはじめ他の国際環境条約にも関係する事業の実施ついては、CDM理事会と協力しつつ科学的、技術的な助言に関する補助機関 (SBSTA、エスビーエスティーエー)が、京都議定書の締約国会合(COP/MOP1、コップモップワン)に勧告することとなりました。なお、現在、再検討となっている事業については、CDM理事会で検討をすることになりました。
地球温暖化の影響に対する適応措置について
第21回実施に関する補助機関(SBI21、エスビーアイ21)で合意できなかった適応策などについては、第10回締約国会議(COP10、コップテンテン)議長のもとで、交渉が続けられていました。2013年以降の対策についての議論とともに交渉されたこともあり、議論が複雑化し交渉が長引きました。
予定していた日程より1日遅れましたが、12月18日に適応などに関するブエノスアイレス作業計画(UNFCCC/CP/2004/L.16)一部変更有りが採択されました。(>PDF)
2013年以降の対策について
COP10 の前に、アルゼンチンのラウル・オヨラ・エストラーダ大使が提案していた「将来の枠組みに関するセミナー」の開催をCOP10の決定とするのか、将来の枠 組みについての議論を条約のもとでのみ行うのか、それとも京都議定書のもとでも行うのか、さらに、その結果をCOP11に報告し、その後の交渉プロセスに 反映させていくのかどうかについて、非公開な形で交渉が進められてきました。
しかし、交渉はもつれにもつれ、12月18日の午前中まで会議はずれ込みました。最終的に、2005年5月にセミナーを開催することになりましたが、こ のセミナーでは、条約と京都議定書のもとでのさらなる地球温暖化対策について意見交換をするに留まり、2013年以降の地球温暖化対策について交渉しないということになりました。