15:00から閣僚級のラウンドテーブルが始まりました。今日のテーマは、気候変動・適応・緩和(削減対策)・持続可能な開発で、日本の小池環境大臣が、マーシャル諸島のタダシ・レメト健康環境大臣と共同議長を務めました。
(Photo courtesy of IISD/ENB-Leila Mead)
多くの国々が、京都議定書の早期発効を求める発言をしました。
午前1:20頃、第19回実施に関する補助機関会合(SBI19)は、先進国から途上国への資金供与メカニズムとしてCOP7で新しく設置することが合意された「特別気候変動基金」を運営するための手引き以外の全ての議題に関する決定とまとめを採択し、終了しました。
COP8で決めた行動計画を踏まえた地球温暖化に関する教育、トレーニング及び市民の意識啓発
国連環境計画のGRID-Arendal Centre(UNEP/GRID-Arendal)協力のもと、地球温暖化に関する教育、トレーニング及び市民の意識啓発に関するネットワーククリアリ ングハウスが構築されるととなりました。また、関心のある締約国が暫定的で非公式なアドバイザリーグループを作り、どのようにクリアリングハウスを構築していくのか検討し、SBI21までに進捗情報を報告することとなりました。
Article 6 of the Convention. Draft conclusions proposed by the Chair.
FCCC/SBI/2003/L.20(>PDF) (英文)
先進国から途上国への資金供与メカニズムとしてCOP7で新しく設置することが合意された「特別気候変動基金」を運営するための手引き
徹夜の交渉が続けられたにもかかわらず、議題別の会合でもSBIの全体会合でも決定案をまとめることはできず、COP議長がこの議題を預かることになりました。金曜日に開催されるCOP9の全体会合で、COP9議長が結果報告を行う予定です。
Financial mechanism of the Convention. Special climate change fund. Proposal by the Chair of the Subsidiary Body for Implementation.
FCCC/SBI/2003/L.31(>PDF) (英文)
ピックアップ
サイドイベント 北極圏における温暖化の影響 イヌイットの人権を守れ!
人為的な温室効果ガスの排出による地球温暖化は、北極圏におけるイヌイットの社会や文化に、深刻な影響をすでに及ぼしており、今後その劇的な変化は増加していくと予測されています。
イヌイット北極周辺地域会議(Inuit Circumpolar Conference/ICC)の議長であるシェラ・ワット・クロウティアさん(写真左 Photo courtesy of IISD/ENB-Leila Mead)は、「地球温暖化がイヌイットの人権を脅かしている。」と訴え、すでに起こりはじめている北極圏における地球温暖化の自然とイヌイットの生活に与える深刻な影響について話をしました。
「イヌイットは狩猟をして生活をしています。イヌイットの猟師は、大昔から自然のリズムやサイクルを理解し、自然についての詳細で正確な知恵を何世代も 伝えてきました。多くの猟師は、最近天気が予測不可能になってきたことに気付いています。また、昔は安全に移動できる場所だった海氷が、最近になって割れ だし、海に落ちて命を落とす猟師の数が増えています。海氷の上で狩猟をすることはもはやできません。
科学者は、このまま何も対策をとらないと、今世紀末には夏に北極圏の氷がなくなってしまうなどさらなる深刻な影響が出ると予測しています。そうなれば、 北極圏に住むイヌイットの家族が主食としているホッキョクグマやセイウチやほかのアザラシの仲間達がほとんどいなくなってしまうことが予測されます。狩猟 ができなくなると、我々イヌイットは食料がなくなるだけではなく、狩猟を通じ保ってきたイヌイットの文化を失ってしまうことになるのです。」
シェラさんは、「北極圏は、辺境地帯でも荒野でもない。私たちのふるさと(HOME)なのだ。」と述べ、人権の領域でも気候変動について議論してほしいと訴えました。
ICCは、アラスカ、カナダ、グリーンランド、ロシア極東地域など住むイヌイット155、000人が参加する組織で、アメリカ政府に対し温室効果ガスを減らすよう働きかけをはじめました。シェラさんは、今回、カナダ政府代表団の一員として、COP9に参加しています。