閣僚級会合のもと作られた35名の大臣による中央交渉グループで各論点について交渉が行われました。午後になりプロンクCOP6議長は、多くの途上国の大臣が明日には帰ってしまうことを理由に、本日中の合意を目指す提案をしました。
非公式の協議の結果、午前11:30頃にようやくプロンク議長による新しい最終合意案が発表されました。プロンク議長は、各締約国に一晩検討し、明日朝 から国別の交渉グループと議長との間で順番に協議をすることを提案しました。しかし、EU やアンブレラ(日本、カナダなど非EUの先進国)グループは、今夜から議長と協議を開始させることを強く要求し、深夜の協議がはじまりました。
プログラム (UNFCCC Daily Program)
アースネゴシエーションブレティン(ENB)21日号(英文)
ピックアップ -地球を救え!巨大な箱舟が出現。「LIFE BOAT」アクション-
地球の友主催のイベント「LIFE BOAT」が21日午前9時半から開催されました。このイベントは、世界中から集められたメッセージを張り付けた船をミュンスター広場から会議場まで運ぶ というものです。メッセージは幅20センチ、長さ70センチ程度の板に書かれており、船の外壁として張り付けられます。船は、全長50メートルに近い巨大 なもので、ノアの箱舟に見立てています。そして、温暖化防止をアピールするために、使用される木材はすべて廃材のリサイクルです。
イベントが開始されてから船の準備ができるまで、正面に組まれたやぐらでは地球の友のスタッフが参加者にメッセージを送っていました。メッセージの中で も印象に残ったのは、「我々の地球をおもちゃにしないで(Don't play with our earth!)」という言葉でした。出発直前には参加者の間をインタビューがまわり、日本からの参加者もインタビューされていました。
2時間ほどかかって船の全面にメッセージが張り付けられると、いよいよ出発しました。船は下に車輪がつけられているので、人間が押して動かすことが出来 ます。大勢に押されて進む船の前後には、それぞれの思いを書き込んだポスターや横断幕を手にした人々や音楽を演奏しながら進む人などが歩いていました。参 加者は全部で5000人前後だと思います。
広場を出発してから約4時間かけて、行進は会議場に到着しました。到着地点で船が来るのを待っていると、先頭集団に約20分遅れて船がやってきました。 参加者は4時間も歩いて疲れきった表情をしている人たちや意外と元気な人たち、到着してほっとしている人など表情は様々でしたが、見ている僕はこれだけの 集団が無事歩いてきたことに感動しました。
このイベントでドイツらしいなと感じさせられたのは、出発地点であるミュンスター広場で、船を取り囲むように出ていた店のことです。日本なら食器はすべ て紙製が使用されるところですが、陶器やガラスの食器を使用しています。そして、何かを買うと食器代としていくらか先払いして、食器を返すとお金が戻って くるデポジット制度を実施していました。こういう細かい取り組みが日本とドイツの大きな違いではないかなと思います。
Report by SAKATA, Yusuke