昨日の夜から各論点に別れ、議論が月に開催されたSB13と同じくコンタクトグループという非公式会合で行われてます。しかし、これはオブザーバーも参加できる公開の会合のため、各国は今までの主張を繰り返すにとどまっています。
これに並行する形で、本格的なつめの交渉が、各コンタクトグループの議長と締約国の非公式協議や二国間、または多国間協議といった非公開の会合など、いわゆる水面下で行われています。そのため、コンタクトグループも開始の遅れや中断、次のスケジュールへのずれ込みなどが起こり、以下のプログラムどおりには進まなくなっています。
各国が水面下でそれぞれの国と協議し、交渉をまとめるための新しい提案が次々と出される中で、一番注目されたのは、アメリカ、カナダ、日本による吸収源に関する共同提案でした。吸収源には主な論点として、(1)第3条3項にある「植林・再植林・森林減少」活動の定義、(2)第3条4項に含む活動とその活動をどの約束期間から算入するか、そして、(3)吸収源関連事業をクリーン開発メカニズム(CDM)で実施すべきかどうかという点があります。今回の提案は(2)の第3条4項に関する提案で、2008年から2012年の第1約束期間から「森林管理」による吸収を含めるべきというものです。また、具体的な算入方法についても提案されています。
さらに詳細にお知りになりたい方は、アースネゴシエーションブレティン/ENB(英語>PDF)/(日本語>PDF)をご覧ください。
今日のプログラム
10:00 – 13:00 議定書の5条、7条、8条に関するガイドライン(モニタリング関連)
10:00 – 13:00 土地利用、土地利用変化と森林(いわゆる吸収源)
15:00 – 17:00 条約4.8項、4.9項、議定書3.14項(開発途上国への支援と補償問題)
15:00 – 17:00 遵守制度
17:00 – 19:00 政策と措置
17:00 – 19:00 技術移転
20:00 – 22:00 京都メカニズム
20:00 – 22:00 キャパシティー・ビルディング(市場経済移行国)
ピックアップ −日本は一番悪い国 !? 「今日の化石」賞を2日連続受賞
9月に開催されたSB13のレポートの中でも紹介した「今日の化石賞」(Fossil of the day)がCOP6でも行われています。「今日の化石賞」は環境NGOがその日の交渉の中で京都議定書の抜け穴を広げるような発言をした国に送る賞で、日本は初日に引き続き今日も第1位に輝きました。順位は、NGOが投票で決めることになっています。
9月13日
1位 日本
理由 吸収源や京都メカニズムなどすべての論点において京都議定書の抜け穴を広げる主張を行っているから。
(写真右 堤防(ダイク)を築いたにもかかわらず、温暖化のため海面上昇し、首までつまるまで水位があがってしまった日本)
2位 カナダ
理由 日本と同じ理由。日本のよりも投票数が少なかったため2位に。
3位 なし
9月14日
1位 アメリカ・カナダ・日本
理由 アメリカ、カナダ、日本による追加的な吸収源の活動に関する具体的な共同提案は、3カ国に大幅な削減をもらたす都合の良いものだったから。(写真右 日本の国旗を一位の水槽に刺し表彰する日本のNGO)
2位 EU
理由 吸収源に関するアメリカ、カナダ、日本の共同提案が発表されたときに、反論しなかったから。
3位 サウジアラビア
国際民間航空期間(ICAO)が出した国際航空機燃料(パンカー油)から排出される二酸化炭素に関する報告を条約交渉の中で考慮(Take Note)することに反対したから。
特別賞 国連環境計画(UNEP)
理由 クリーン開発メカニズムに吸収源事業を含めるべきといった発言をしたから。