2000年11月6日 「環境NGOと環境庁長官との意見交換会」
COP6を前に、気候ネットワーク、日本労働組合総連合会(連合)、A SEED JAPAN、地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)などNGO9団体と川口順子環境庁長官の意見交換が行われました。
気候ネットワークの浅岡美恵代表からCOP6で京都議定書が削減議定書となるようなルールの合意を求める要望書が、またA SEED JAPANの久保達也共同代表から抜け穴の話し合いをしているCOP(締約国会議)を表した数個の穴が空いた竹のコップが長官に手渡されました。
NGO(写真右)は、(1)第1約束期間では、吸収源の活動は極めて限定的に適用し、通常の林業活動による植林や再植林などを含めないこと、(2)議定書の改正を回避することを交渉の既定方針とせず、議定書の遵守確保に最も効果的な制度の構築を優先すること、(3)京都メカニズムの利用に上限を設け、「抜け穴」を出来るだけ塞ぐとともに、クリーン開発メカニズム・共同実施については、対象プロジェクトから原発や吸収源による事業などを除外することなどを求めました。
それに対し長官(写真左)は、環境にとってよいこと、自国にとって運用が可能なものの2つの観点から各国は交渉に取り組んでおり、後者については締約国でそれぞれ立場の違いがあるが、国際的な公平性が保てる結果がでるよう工夫したいと答えました。
1990年の排出量をベースとして日本は6%、アメリカは7%、EUは8%、先進国全体では5.2%削減することになっています。では各国がどういう方法で削減していくかですが、国際的に合意されたルールに従って行われないと最終的に本当にその国が削減目標を守ったかどうかどうかわからないわけです。意味のある形で削減目標を達成するためには、京都議定書の運用ルールについて合意していかなければなりません。今度オランダ、ハーグで行われるCOP6がまさしくそのための場なのです。
2000年11月7日 「日本政府主催 COP6説明会」
日本政府主催(外務省、通産省、環境庁、農水省など担当省庁合同)のCOP6参加者対象の説明会がありました。はじめに朝海和夫地球環境問題担当大使(写真左)が、「京都でも課題は多かったが何とかまとまった。今回もたくさんの課題があるが何とか妥協点を整理し、京都議定書を批准可能なものにしたい」と述べました。
次に、質疑応答が行われ、京都メカニズム、遵守制度、吸収源など主要な論点を交渉する担当者が質問に答えました
Q, それぞれの論点におけるCOP6での獲得目標は?
・「京都メカニズム」
3つの制度がどのような制度で、どのように運用されるのかがわかるのものにしたい。
・「遵守制度」
手続きをするにはそれを扱う組織が決まらないといけない。法的に実行可能なものにしたい。
・「吸収源」
(1)科学的な適切さ、(2)実施可能性、(3)政策的な判断を考慮し、この3点のバランスが一番いいものにしたい。削減目標との関係もよく考え、まずは日本の削減目標6%の達成のために必要な吸収量の獲得する。しかし、吸収源によって最終的に大きな吸収量を見込めるような得をする国(特にアメリカ)が出て、京都で合意した削減目標のバランスが壊れるようなことは避けたい。