目次
教育事例の紹介
JCCCAでは、気候変動教育に関する事例の収集・掲載をしております。
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富山県立富山北部高等学校
近年の気候変動により、自然災害が多発している。河川や山間部が多い富山県では、大雨の影響で洪水や土砂災害の被害を受けることが多い。そのため、流域治水に関する知識を深めるとともに、流域治水について多くの人に知ってもらうための活動を行った。富山県庁が行っている出前講座に参加して、地球温暖化や防災に関することを学んだ後、流域治水に関する認知度を調査するとともに、認知度を高める活動として、富山駅構内の南北通路で行われたイベントに参加した。さらに、より多くの人に知ってもらうために流域治水に関するジオラマを制作し、「とやま探究フォーラム」で発表した。 -
公益財団法人 京都市環境保全活動推進協会
SDGsの基本情報や各項目(特に13番「気候変動に具体的な対策を」)についてを押さえなおし、自分たちの生活とのつながりについて理解を深めることを目的にしたプログラムです。合わせて、自分たちの考えとSDGsを結び付けた意見を発信できるようになることも目指しており、ごみ、エネルギー、水のテーマでのグループワークを進行します。このプログラムは当協会が制作し、市内中学校に配布している『環境副読本「わたしたちと地球環境」(中学生用)(https://www.miyako-eco.jp/publication_category/sub-reading/)』を活用したものとなっています。また、このプログラムは中学校への出前講座としてだけではなく、企業の社員研修としても利用されています。 -
特定非営利活動法人気候ネットワーク
こどもエコライフチャレンジは、京都市全小学校で実施されている気候変動教育プログラムで、これまでに16万人(2024年11月時点)が実施してきました。学び・実践・ふり返りのプログラムに加え、近年は学校のデジタル化と併せて電子化を進めています。2005年1校から訪問学習型の取組がスタートし、2010年から京都市立全校(全校)で実施。2019年からは動画を使って担任による授業を、2023年度からは、市立小学校における端末の配備等に対応するため、診断書電子化システムを提供し、全校で実施しています。他自治体・海外(マレーシア)へも波及しています。 -
鳴門市板東小学校
1学期は地球温暖化とコウノトリについて知り、自分たちもコウノトリに親しみをもつため、見つけたら発見カードに書いていった。また、化学肥料や農薬を減らした米作りを知る一貫として、田植えを体験した。さらに、農地などの雨水貯留の効果についても学んだ。JICAとも連携し、スリランカの環境問題について知った。2学期は田植えをしたお米の稲刈り体験と地産地消での調理実習を行った。スリランカと2回目の交流を行い、互いに環境問題について意見交換ができた。これらの経験から、自分たちにできることは何か4つの視点から考え、発表していく。 -
自由の森学園中学校・高等学校
自由の森学園のESDの構造は大きく教育実践と学園経営の二本立てになっている。前者の教育実践面は、中学「森の時間」や高校選択授業などを軸に展開されるものであるが、それ以外に生徒の自主的な活動(天ぷら油プロジェクトなど)も含まれる。 -
公益財団法人 京都市環境保全活動推進協会
最初に地球温暖化の仕組みや原因となる二酸化炭素の家庭からの排出源について話を聞いた後、電気・水・ごみのテーマに分かれてグループワークを行います。それぞれで「普段の電気の使い方を見直し、電気の大切さを考える体験」、「普段の水の使い方を見直し、節水の仕方を考える体験」、「ごみを減らすためにどんな事ができるかを話し合い、実際にごみを減らす体験」を行います。今まで無意識に使用していた電気・水・物の使い方を考え、自身の行動を見つめなおすプログラムです。それぞれのグループワークを終えた後には全員で集まり、各体験で「どのようなことをしたか」、「これからどのような使い方をするか」を共有し、学びを深めます。 -
きのくに子どもの村学園 きのくに子どもの村小学校
1学期の大きな活動となったのは、クラスのリフォームである。開校から30年経っている木造校舎のクラスの床をカーペットからフローリングに変える作業を行なった。2学期からはひみつ基地づくりをはじめる。どんなひみつ基地をつくりたいか話し合い、建設場所を決め、寸法を図り、床や屋根、壁を張り(縦)200cm ×(横)300cm×(高さ)400cmにもなる木造建築物を建設した。3学期の最後には活動経過を本にまとめ、全校生徒と保護者の前で活動の劇を披露した。この日々の活動の中に地球環境へ関心を広げるために、ゴミ問題や気候変動の話題に触れている。 -
佐倉市立間野台小学校
理科「天気の変化」では、天気の変化は雲の量や動きと関係があり、映像などの気象情報を用いて予想できることを学習する。台風の接近や変化についての学習後、ゲストティーチャーから予報業務の実際と気象災害からの適応策について学んだ。佐倉市は、印旛沼の最下流に位置し、大雨による被害も発生している。児童が近年の気候変動による気象災害の変化やその適応について理解し、行動ができるよう、環境防災教育の一環として地域の学校への支援を行っている気象庁の職員を佐倉市気候変動適応センターが招聘し、本授業を設定することができた。 -
北海道胆振総合振興局
■振興局職員が自ら講師を担うほか、産学官ネットワークであるTEAM「ゼロカーボンいぶり」と連携のうえ、大学・金融機関等専門家の派遣や現地実習の開催、生徒達の議論に参加するなど、生徒達と教員の主体性ある探究学習を支援。 ■(2023年度~)伊達開来高校3年生全員が履修する学校設定科目「だて学」において、約半年間、ゼロカーボンに関する探究学習を伴走支援。 ■(2024年度~)伊達開来高校3年生のほか1年生へのスポット授業支援(高校内のタテ展開)、苫小牧工業高校2年生への授業支援と企業視察実施(胆振地域内のヨコ展開)を行い、胆振地域のより効果的な「ゼロカーボン人材」の育成を試行錯誤。 -
大阪府
次世代を担う高校生を対象に、環境の負荷低減に先進的に取り組む企業との対話(ダイアローグ)を通じ、企業活動における環境配慮の取組の社会的意義についての理解を深めてもらい、将来、環境を意識した実践者として活躍する人材を育成するための“ゼロカーボン・ダイアローグ”を実施。ゼロカーボン・ダイアローグ当日は、高校生・企業がそれぞれの活動について発表を行うとともに、質疑応答・意見交換等を実施した。また、企業から事前に提示された課題に対し、高校生ならではの柔軟な発想で様々なアイデアを提案した。高校生が提案したアイデアの具体化について、現在企業において検討が進められている。 -
青森市立堤小学校 東北地方ESD活動支援センター
昨年、東北地方ESD活動支援センター令和5年度「ESD for 2030 学び合いプロジェクト ローカルから考える気候変動教育」を受け、堤小学校では全校で地球温暖化に関わる学習に取り組み、6年生では「地球温暖化ストッププロジェクト」として取り組んだ。課題設定から課題解決、探究結果の発表、地域との連携等では様々な外部講師等から話を聞く、聞いてもらうなどの機会を設定し、仲間との対話を大切にしながら活動を展開した。活動の成果は今年度に引き継がれ、6年生だけでなく全学年の活動が意欲的主体的に実施されるにようになり価値ある活動であった。 -
坂井市役所 生活環境部環境推進課
市内小学校の6年生を対象に、45分×2時限×2回の環境教育授業を行う。①児童は第1回目の授業で、地球温暖化問題に関する基礎知識をSDGs17領域全てとの関連で学ぶとともに、被害に対する感情を分析する力を磨く。②第2回目の授業までに、家庭において温暖化防止の取り組みにチャレンジする。③第2回目の事業では、家庭でのチャレンジ結果を分析し家庭での行動を振り返る。以上を通して、多様なワークシート、チェックシートを活用することで子どもたちのコンピテンシー(ユネスコ参照)の変化を記録する。④最終的に子どもたちは授業で学んだこと、感じたことをまとめ、市が主催する市民フォーラムにて市民に向け意見を発信する。 -
延暦寺学園比叡山高等学校
単元名は「風呂敷から考える持続可能な未来」、第1~4次で構成。第1・2次では、発問と体験を通して風呂敷の汎用性、融通性に気づかせ、最低限のものを最大限に活かすこと、地球資源を浪費しないことを美徳とする日本の生活文化の本質=サスティナブルであることへと導く。第3次では、拠点プログラムを活用した体験的な学習活動に加えて、ゲストティーチャーと生徒との発問応答型の授業を展開する中で、風呂敷の包み方の基本となる技能の習得と風呂敷が脱炭素に繋がることを理解させる。第4次では「風呂敷✕脱炭素」をテーマにしたプレゼンテーションを行い、脱炭素社会を実現するための社会変革を先導する人材の育成を目指す。 -
愛知教育大学 大鹿研究室
日常生活によって排出されるCO2の排出量を視覚化、数量化したカード教材を作製した。このカード教材を使った活動を通して、自動車の排気ガスや燃焼による排出以外にも、さまざまな日常生活の中で、CO2が排出されていることを知り、日常生活を工夫することでCO2の排出を削減できることを学習することができる。また、CO2の量を重さやかさ(体積)として目に見えるようにすることで、具体的な削減量を意識させることができる。 -
ストップ温暖化センターみやぎ
「SDGs環境出前講話~環境・防災編(気候変動)」 促進事業として実施しているSDGs環境出前講話の一つとして実施する。前半は、SDGsから入り、目標13「気候変動に具体的な対策を」に焦点化し、原因、影響、将来予測などについて具体的な資料を示しながら分かりやすく説明する。後半は、当センターが制作したウェブ教材を児童各自が持っているタブレット端末で使用させる。具体的な対策と効果(CO2削減量と節約金額)をゲーム感覚で知ることができて、家に持ち帰った端末で家族とともに取り組むこともできる学習となっている。 -
秋田県 大仙市立大曲南中学校
本校では、2021年から「持続可能な社会の創り手となるための資質・能力」の育成をめざし、その具現化のための手段として、ホールスクールアプローチでESDに取り組み、総合的な学習の時間を軸とし各教科等との連携を図った教科横断的なカリキュラムを構築している。本校のESDの柱は、「食育」「エネルギー教育」「国際理解教育」であるが、3年間のつながりを踏まえて、子ども自身の「ストーリー」を、当事者意識をもって展開できるように支援してきた。また、NPO法人や企業等との「ネットワーク」を構築して実践してきた。これらをベースとして、教育活動全体をESDの視点で捉え、「人」「教材」「能力・態度」のつながりを踏まえた探究的な学びを展開している。 -
大阪府 堺市立日置荘小学校
本校では6年生の総合的な学習において、1年間を通してSDGsをテーマにして取り組んでいる。これまで、1学期は廃棄物など身近な問題から考え、2学期はユニクロが小中高校を対象に行っている“届けよう、服のチカラ”プロジェクトに参加し(2019〜2022)、子供たちの眼を海外にも広げていくことに注力し、3学期には自分たちの意見をまとめて発表するというカリキュラムを実施してきた。
学校全体で取り組んだ事例の紹介






自由の森学園中学校・高等学校
開校以来実践してきた環境教育実践を体系化して、2017年にユネスコスクールに加盟。中学校では各学年で取り組む「森の時間」を軸にした総合学習として、高校では選択講座のなかにESD講座を設定している。また、毎年行われるアースデイ東京に参加したり、廃食油を回収して公用車を走らせたり行事用に発電したりする生徒の活動(天ぷら油プロジェクト)などが有志で行われている。並行して、学園経営においては可能な限り脱炭素と地域との連携に取り組んでいる。
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