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愛知教育大学 大鹿研究室

目次

カリキュラム概要

団体名愛知教育大学 大鹿研究室
学年小学生高学年
目標気候変動の主たる原因となっているCO2が日常生活の中で、どのように排出され、どのような行動を行うことによって、CO2排出を削減することができるかについて学習し、行動できるようにする。
内容日常生活によって排出されるCO2の排出量を視覚化、数量化したカード教材を作製した。このカード教材を使った活動を通して、自動車の排気ガスや燃焼による排出以外にも、さまざまな日常生活の中で、CO2が排出されていることを知り、日常生活を工夫することでCO2の排出を削減できることを学習することができる。また、CO2の量を重さやかさ(体積)として目に見えるようにすることで、具体的な削減量を意識させることができる。
大切にしたこと目に見えないため意識しにくく、また、どのような人間活動によって排出されているかイメージしにくいCO2を、小学生の子どもでも意識しやすいように、日常生活での行動で示すことに心がけた。また、子どもにとってイメージしにくいCO2の量を身近なものを使って重さやかさ(体積)で示し、行動として取り組みやすくするように心がけた。
外部協力者教材の実施試験:愛知教育大学附属名古屋小学校
        愛知県環境学習プラザ(愛知県環境局環境活動推進課)
カード教材の提供:名古屋市環境局

フォトギャラリー

愛知教育大学附属名古屋小学校での授業実践

愛知県環境学習プラザでの夏休み講座

開発したカード教材

取り組み

1時間

(1)導入:1人が1日当たりに排出するCO2の量を知る活動
 児童に生活の中のどの場面でCO2を排出しているかについて想起させる。CO2を排出している場面と1人が1日当たりに排出しているCO2の量を具体物を用いて示す。重さとしてダンベル、体積としてテントを用いて1日のCO2の排出量を実感させる。どのような取組みによりCO2を減らすことができるかを想起させる。
(2)展開①:CO2の削減に関する内容を日常生活の場面に結びつける活動
 4人1グループでカード教材を用いた活動を行う。カードには、内容に関連した日常生活の場面を表すマークが記載されており、同じマークを合わせる神経衰弱のような活動を行わせる。絵柄の合ったカードは取得していくこととするが、ゲームの勝敗は取得したカードの枚数ではなく、CO2の削減量で競う。
(3)展開②:1日当たりのCO2の削減量を知る活動
 (2)の活動の中で取得したカードのCO2削減量を合計し、1日のCO2削減量の合計を比較する。
(4)展開③:CO2を削減するための取り組みに注目する活動
 全てのカードの表面が見えるように、カードを机の上に並べ、「カードの中で家族に1番教えたいと思った取り組みは何か」について、ワークシートに記述させる。ワークシートの記述内容を学級全体で共有し、自分たちができる取組みについて考えを深める。
(5)授業のまとめ
 活動を通して、CO2を削減する具体的な取り組みや削減量を学んだ後、温度上昇を1.5℃に抑えるために環境省が推奨している1日のCO2の削減量は1人あたり1kg、500Ⅼであることを伝える。この削減量を視覚的にイメージできるよう、バランスボールを用いて体積として示す。さらに、カード以外の取り組みついても、児童たちに考えさせ、行動に移すよう伝える。

児童の変化

<児童・生徒の変化について>

授業実践前後のアンケート調査から,開発したカード教材の評価や,CO2の削減に対する行動意識の変化を調査し,分析を行った。
開発したカード教材の内容に関して,「私たちが減らすことができるCO2の量が分かりましたか」の設問では,99%の児童が肯定的な回答をした。自由記述では「CO2の体積の具体的な例えが書いてあったことで量がイメージしやすかった」,「カードで楽しく学ぶことで量が覚えやすかった」という記述があった。このことから,CO2の体積の具体例を示したことや,カードを用いて楽しみながら学んだことで,CO2の削減量を実感することができたと考えられる。
CO2の削減に対する行動意識について,「生活の中でCO2の量を減らす行動をしていきたいと思いますか」の設問では,事前で肯定的な回答は38%であったが,事後では肯定的な回答が96%まで増加した。自由記述では「身近な行動を変えるだけでCO2を減らすことができると分かったから取り組んでいきたい」,「簡単にできるから家に帰ってさっそく取り組んだ」という回答があった。このことから,CO2を削減するための具体的な取り組みを知ることと削減量を実感することで,CO2の削減に対する行動意識が向上したと考えられる。

<児童・生徒の変化をどのようにして評価したのか>(アンケート等)

教材の有効性を検証するため、実践の前後でアンケート調査を行った。調査の対象は、事前・事後アンケートの両方に回答した94名である。

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