学校概要
都道府県名 | 大阪府 | |||||||||
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設置区分 | 市立 | |||||||||
学校名 | 日置荘小学校 | |||||||||
学校概要 | クラス数26 児童数 645名 校長 稲葉淳郎 堺市中心部(市役所)より南海高野線に沿って南東に6.6kmの位置にある。標高42.1m 東に向かっての緩やかな丘陵上にあり、校区内には溜池が点在しているが、農地は少なく宅地が広がっている。学制発布された1872年の啓蒙学館にはじまる市内でも歴史のある学校。 | |||||||||
これまでの取り組み | 本校では6年生の総合的な学習において、1年間を通してSDGsをテーマにして取り組んでいる。これまで、1学期は廃棄物など身近な問題から考え、2学期はユニクロが小中高校を対象に行っている“届けよう、服のチカラ”プロジェクトに参加し(2019〜2022)、子供たちの眼を海外にも広げていくことに注力し、3学期には自分たちの意見をまとめて発表するというカリキュラムを実施してきた。 |
カリキュラム概要
学年 | 6年(3クラス 122名) | |||||||||
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テーマ | 日置荘PEACEプロジェクト ~正しい理解と努力をもって~ | |||||||||
目標 | 【学年の目標】SDG’sにかかわる活動を通して、自分たちがつくる未来について考え、行動し、広めて責任や思いやりの心を育てよう。 【つけたい力】正しい理解を求めようとする力、他者のためにできることをしようとする力、話す力、聞く力、話し合う力、プレゼン力、資料をまとめる力、仲間と協力する力、最後までやり抜く力、高めあう力 | |||||||||
内容 | 1学期は、SDG’sについて知り、学校でできることはないのかを考えようという基礎の学習、2学期は、パラオの子どもたちと地球温暖化について交流しようという発表に向けて深く調べる実践を、3学期は、自分たちがつくる未来について考え、伝えようという自主的に考えて行動する実践学習を行いました。最初は、他人事だった地球温暖化問題が、1年間の学習を通して、自分事になり自主的な活動に変化していきました。 | |||||||||
大切にしたこと | 他人事から自分事にするために:今までの日置荘小は課題や疑問があって、それを調べてまとめて発表するという学習活動をしていました。そのときは一生懸命取り組むのですが、学習後に主体的に活動するといったことはあまりありませんでした。疑問/課題→調べる→出前授業→整理分析→まとめる/発表→外部との交流→ 疑問/課題 外部の方に来ていただいたことで、3学期にはこちらが何も言わなくても子どもたちは、自分たちで考えて行動できるようになりました。出前授業をするたびに、子どもたちはひとつずつ学び、学んだことから新たに疑問が生まれて、その疑問を調べていくという課題を追及のする姿がよく見られるようになりました。また、外部との交流で、自分たちのやってきたことが本当にためになっているという実感を得られたこともよかったと考えています。 |
フォトギャラリー






取り組み
1学期「SDGsについて知る」:28時間
Ⅰ地球の現状について考えよう (5H)
『NHKスペシャル 2030 未来への分岐点より』暴走化する温暖化 視聴
国語:あなたの夢は何ですか?「池間 哲郎著」ぼくたちはなぜ学校に行くのか「石井 光太著」
子どもたちは、いろいろな地球の現状について知ります。しかし、まだまだ他人事です。地球の問題は規模が大きすぎて、できることが思いつきません。
Ⅱ 身近な問題を考え、解決するために行動しよう(10H)
国語「わたしたちにできること」(7H)
日置荘SDGsでできることを考え、実践していきました。
グループ1「学校をきれいに」、グループ2 ケガを減らして安全安心な学校へ 他
Ⅲ 外部の方による出前授業 7月10日 専門家の方に教えてもらおう 地球温暖化防止全国ネット 髙田研(2H)
子どもたちから考えたことを発表し、温暖化について詳しく教えてもらいました。
Ⅳ 2050年の未来がどうなってほしいのか。(3H)
そのために自分ができることを考えよう。
2学期「自分でテーマを決め、さらに深く調べていく学習へ 」
Ⅰ 外部の方による出前授業 9月26日 自分の興味があるテーマに分かれて、それぞれの分野で地球温暖化に取り組んでいる外部の方たちに出前授業をしていただきました。
①「子どものウチエコ」 大阪府温暖化防止活動推進センター 田中利男 赤坂真由美 中澤吉博
②「家の適応策について」堺市環境局カーボンニュートラル推進部環境エネルギー課 山本 青馬
③「フードマイレージ・自転車のまちづくり」 あおぞら財団 藤江徹
④「ゴミの焼却」 学年教員
Ⅱ 調べ学習を行い、掘り下げていき、自分たちが決めた課題に取り組んでいきました。
Ⅲ 授業参観での発表11月18日
課題追求チーム数は31 チーム。自分たちで調べたことや考えたことをまとめ、発表ブースをチームごとに作って、4教室に分かれてお家の方たちに伝えることができました。
学校での節電・家での節電・再生可能エネルギー・自転車安全ルート・資源とごみ・太陽光パネル・食品輸送 など
さらに子供たちの環境問題の関心が深まっていきました。
Ⅳ パラオとの交流授業に向けて外部の方による事前授業
9月 田中大介(元パラオでイルカトレーナー)からのメッセージ
パラオってどんな国かを教えてもらいました
10月17日 イボバン小学校酒匂先生による実行委員の事前勉強会
11月21日 秋田市温暖化防止活動推進センター 福岡真理子
パラオ イボバン小学校交流会に向けての導入授業/ペルソナワーク
パラオの子どもたちと交流する前に、地球温暖化問題の海外交流の経験が豊富な専門家の方にお話ししていただき、自分たちができることを考えていきました。
Ⅴ パラオ・イボバン小学校との交流授業12月8日
子どもたち同士が伝え合うことで、環境問題に対する意識は、大人が伝えるよりも高まったのではないかと思います。
3学期「日置荘小学校のみんなに広げよう」
Ⅰ
自転車の安全について知らせよう
パラオのことを伝えよう
植物を植えよう
再生エネルギーやエコについて広めよう
短くなった鉛筆をつないで、プレゼントしよう
キャップアート展覧会/体験会を開こう
児童の変化
日置荘小は、課題や疑問を捉えて明確化し、それを調べてまとめて発表するという循環型の学習活動をしていましたが、子どもたちは、そのときは一生懸命取り組むのですが、学習後に主体的に活動するといったことはあまりありませんでした。しかし、外部の方々に来ていただいたことで、3学期は、こちらが何も言わなくても子どもたちは、自分たちで考えて行動できるようになりました。出前授業を受けるたびに、子どもたちはひとつずつ学び、学んだことから新たな疑問が生まれて、その疑問を調べていくという課題を追及する姿がよく見られるようになり、そのことが自主的に活動していくことにつながっていったのではないかと考えています。また、外部と交流することで、自分たちのやってきたことが本当に地球環境のためになっているという実感を得られたこともよかったと考えています。
協力・参考
協力
- (一社)地球温暖化防止全国ネット
- 堺市環境局
- (一社)秋田市地球温暖化防止活動推進センター
- (一財)大阪府地球温暖化防止活動推進センター
- (公財)公害地域再生センター(あおぞら財団)
- JICA地球ひろば
- 田中大介(元パラオでイルカのトレーナ)
- イボバン小学校 教諭 酒寄真成
参考資料
- 令和5年度第6学年総合的な学習の時間年間指導計画
- 堺市立日置荘小学校7月10日授業指導案
- 堺市立日置荘小ペルソナワーク授業(報告)
- パラオ交流授業指導案