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No.1 ナイロビでCOP12・COP/MOP2が開幕! 2006/11/6

2006年11月6日(月)、ケニアの国連ナイロビオフィス(UNON)で気候変動枠組み条約の第12回締約国会合が開幕しました!

UNFCCC事務局の発表によれば、COP12には189の国と地域、COP/MOP2には166の国と地域からの代表が参加を予定しており、初日の月曜日には約6千人ほどの参加者が集まったとのこと。薄曇りで少し肌寒い天気の中、会場に入るための登録手続きには長蛇の列ができました。

UNON入り口で登録を待つ参加者

厳重なセキュリティーチェックを受けて向かった本会議場ではケニアの踊りや歌などが披露されており、参加者たちの気分を和ませていました。
開会式は予定より30分ほど遅れて始まりました。ケニアの副大統領に続いてUNFCCC事務局長イヴォ・デ・ボーア氏が「世界が期待している、会議を成功させましょう」と述べ、2週間の会議が始まりました。

本会議場(プレナリー)の様子

目次

COP12のゴール

前回COP11以降議長役を担っていたカナダのアン・ブローズ環境大臣から主催国ケニアのキブワナ(Kibwana)環境大臣がCOP12の議長として選出され、開会宣言を行いました。キブワナ氏はキーワードとして「action(行動)」「maintain the momentum(将来枠組みの維持)」「expand the creative space(視野の拡大)」の3つを挙げました。今回のCOP12のゴールとして具体的に次の5点を掲げています。
(1)「適応に関する5ヵ年作業計画」を計画・評価から実行・行動の段階へ移すこと
(2)クリーン開発メカニズム(CDM)の利益を衡平に配分すること
現在CDMとして行われているうち、アフリカで行われているものは1.7%に過ぎません。こうした地域の偏りをどうするかについて話し合われることになります。
(3)技術の開発と移転について新たに考えること
COP7決定4は「技術移転に関する専門家グループ(EGTT)」をCOP12で見直すと規定しています。途上国が今後の気候変動の影響へ適応していくためにも重要な課題です。
(4)将来枠組みについての議論をさらに向上させること
気候変動の影響を避けるためには、衡平かつ各国の事情に従った実現可能な方法を模索しなければなりません。COP11の成果を将来枠組みへとつなげるため、ダイアログ、AWGという2つの過程で交渉が行なわれます。また京都議定書の見直しも行われます。
(5)議論の視野を広げること
交渉の論点は細かい点に集中しがちですが、全体像をつかむことも必要です。スターン・レビューはローカーボンエネルギー製品の市場は2050年までに少なくとも500億ドル/年に成長するだろうと予測しています。持続可能かつ衡平な未来のためには、緩和措置の負担をし、気候変動の影響に適応できる資源を持ち、経済的な機会の利益を得ることです。
中でもキブワナ氏が次のような発言をしたことが印象的でした。
「世界の国々はみな違う責任を負っている。しかし私たちは”みな”−先進国も途上国も−気候変動の影響を避けようという関心を共有しているのだ。」
これまで途上国は、先進国と同様の義務を負うことを避けるためにこうした発言をしない傾向がありました。しかし今回ケニアが「”みな”関心を共有している」との発言をしたことは、主催国として強いリーダーシップを発揮し今回の会議を成功に導こうという決意の表れでもあるのでしょう。

・UNFCCC事務局の報道発表資料(英文)
「UNFCCC会議がナイロビで開幕:気候変動は人類が直面しているもっとも深刻な恐怖」
・スターン・レビューはこちら(英文)

補助機関会合

午後にはCOP/MOP12の開会、引き続いてSBSTA25、SBI25、AWG2が行われました。
SBSTA25では「気候変動の影響、脆弱性及び適応に関する5カ年作業計画」について議論が進められました。日本を始め各国から「ナイロビで5ヵ年計画の結論を得るべき」という主旨の発言があり、COP12での決着の意思が共有されたのではないでしょうか。
初日ということもあり各国からはそれぞれの主張が出されました。G77+中国やAOSIS、バングラデシュなどの途上国からは特に「気候変動の影響はすでに起こりつつある。適応や技術移転、資金面などについても議論を進め、一国も早く実行に移すべきだ」といった主旨の発言が多くなされました。
今回の会議は、ナイロビの治安状況を理由に夜6時には終了させることが事務局およびケニア政府から通達されています。参加者にも議事のすばやい進行への協力が求められています。
 ・ 11月6日(月)のデイリープログラム(英文)

コラム

 COP12を開催しているナイロビはケニアの首都です。イギリスの統治を経て独立した後、東アフリカの中心都市として発展しました。ほぼ赤道直下に位置していますが高地にあるため、この季節は朝晩でもかなり冷え込み、コートやマフラーをしている人もみかけます。
COP12の会場UNONは中心市街地からは車で20〜30分ほど。途中では「ジャガランタ」という木が多く見られます。花の色は淡い紫でとても美しく、アフリカ気分を盛り上げてくれます。

会議場の裏に咲いていたジャガランタ

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