2013年以降の削減目標と枠組みをどうするか
COP/MOP2では、京都議定書第9条に基づき京都議定書のレビューを行なうことになっています。
また、京都議定書の第一約束期間は2008〜2012年までです。付属書国(先進国)の20013年以降の削減目標をどうするかについても合わせて話し合われます。
具体的に話し合われている場は2つあります。
1.AWG
COP/MOP1の決定に基づき設置されたのが特別作業部会AWGです。ここで話し合われた内容はCOP/MOPに報告されることになっています。AWG1は5月にドイツで行なわれ、「将来の作業計画」が決定されています。
AWG2ではワークショップを開催し、各国の意見が大きく分かれる将来の削減目標について議論することになっています。
*AWGは京都議定書の元でのワーキンググループのため、京都議定書を批准していないアメリカなどは話し合いに含まれていない。
関連情報
AWG1で決まった「将来の作業計画」(UNFCCC文書、英文 FCCC/KP/AWG/2006/L.2/Rev.1)
AWG1に関する情報
2.対話(ダイアログ)
COP11での決定に基づき開始されました。京都議定書を批准していない国(アメリカなど)や削減義務のない途上国も含め、条約を批准しているすべての国が参加し、以下の4つの分野に関してワークショップ形式で開催されています。話し合いの結果は今回のCOP12、2007年のCOP13へ報告することになっています。
- *持続可能な開発:エネルギー安全保障、大気汚染対策、貧困対策と温室効果ガス削減の同時達成
- *適応:「適応に関する5ヵ年作業計画」の推進、資金メカニズムの強化、緩和策(削減策)とのバランス
- * 技術:研究開発プログラムの重要性(先進国)、技術移転とそのための資金援助、能力向上のための先進国の支援の強化(途上国)
- * 市場の役割:京都メカニズムの継続、プロジェクトの地域バランスの改善
関連情報
・対話(ダイアログ)について(UNFCCCのページ、英文)
対話(ダイアログに関する情報)
・日本政府代表団による対話(ダイアログ)の概要と評価(外務省のページ)
・CASAによる現地レポート
参考
・京都議定書3条9項
附属書に掲げる締約国のその後の期間に係る約束については、第21条7の規定に従って採択される附属書Bの改正において決定する。この議定書の締約国の会合としての役割を果たす締約国会議は、1に定める一回目の約束期間が満了する少なくとも7年前に当該約束の検討を開始する。
・京都議定書第9条
1)この議定書の締約国の会合としての役割を果たす締約国会議は、気候変動及びその影響に関する入手可能な最良の科学的情報及び評価並びに関連する技術上、社会上及び経済上の情報に照らして、この議定書を定期的に検討する。その検討は、条約に基づく関連する検討(特に条約第4条2(d)及び第7条2(a)の規定によって必要とされる検討)と調整する。この議定書の締約国の会合としての役割を果たす締約国会議は、その検討に基づいて適当な措置をとる。
2)一回目の検討は、この議定書の締約国の会合としての役割を果たす締約国会議の第二回会合において行う。その後の検討は、一定の間隔でかつ適切な時期に行う。
途上国が抱える問題をどうするか
初めてのアフリカでの開催ということもあり、途上国に関連した議題にも関心が集まっています。以下の2つに大別されます。途上国問題に関する議論についてはCOP7でも話し合われました。 (参考ページ(COP7))
1)適応
地球温暖化の影響はすでに起こりつつあります。そうした悪影響に対して、先進国に比べて脆弱な途上国がより多くの被害を受けることが予想されています。そうした問題についてどのように適応していけばよいかが議論されます。
「適応に関する5ヵ年作業計画」の当初2年間の具体的作業の進め方について、SBSTA25で議論を行なう予定です。
・適応に関する5ヵ年作業計画(UNFCCCのページ、英文(PDF))
2)技術移転
気候変動枠組条約の第4条5項では、途上国が条約の約束を実施するために、先進国から途上国に環境保全技術およびノウハウの移転、それにともなう資金供与、途上国における能力の構築と向上に対する支援を行なわなければならないと規定されています。このうち、CDM(クリーン開発メカニズム)は技術移転に有効な手段ですが、現状では地域的にかたよった形で広がっており、特にアフリカ地域の案件が少なくなっています。この偏りを今度どう解消していくかが論点になるでしょう
・CDM(クリーン開発メカニズム)