気候変動COPは、2週間、開催されます。会議が休みになるのは、間の日曜日、つまり今日だけ。今日は、リマの旧市街の散策に出かけてきました。
写真1:カウサ(マッシュポテトに、ゆで卵などの具材をはさんだ伝統的なじゃがいも料理)。カウサは、どこのペルー料理のお店にもありますが、これは、友人宅のホームパーティーでいただいたもの。パーティー参加者のひとりが作った、おしゃれ版カウサです。
私の滞在しているホテルは新市街にあるので、旧市街までは何らかの交通手段での移動が必要です。タクシーは、料金交渉必須のため、スペイン語ができない私には難しい。コンビ(ミニバン)やミクロ(中型マイクロバス)は、外から見ていても“どうやって降りるんだろう?”と思うくらい混雑していることが多いし、路線が複雑とのことなので断念。そこで、メトロポリターノを使ってみることにしました。
メトロポリターノとは、専用レーンを走る2両連結のバスです。2010年にできたそうです。どこに停車するかのアナウンスもあることが多いですし、路線図もわかりやすく、料金も区間均一で2ペルーソル(約80円)と明快。最初に、Suicaのようなカードを買い、それにチャージして使います。
写真2:メトロポリターノ。停留所には、ホームドアが設置されています。
ホテルからメトロポリターノの停留所へ向かう道を初めて歩いたのですが、いくつかかわいらしいお店がありました。
写真3:カップケーキ屋さん
写真4:コーヒーショップ
メトロポリターノは、市民の足として活用されているようで、筆者が乗った時も大変な混み具合でした。30分弱で、旧市街周辺の停留所に到着。
いろいろなお店があるラ・ウニオン通りを通り抜けると…
写真5:ラ・ウニオン通り。旧市街は世界遺産に登録されており、壁の色や看板などは街の景観を壊さないよう配慮されています。
アルマス広場に到着。
写真6:アルマス広場から見たペルー政庁
アルマス広場は、旧市街の中心です。広場を囲むように、ペルー政庁やカテドラルがあります。このカテドラルは、インカ皇帝を処刑したスペイン人、フランシスコ・ピサロが、1535年1月18日に、自らの手で礎石を置いたと言われています。この日は、リマ建都の日。ピサロは、スペインのイベリア様式にのっとり、アルマス広場を中心に街を築いていったようです。1541年6月、ピサロは暗殺され、現在、「ピサロの遺体」とされるミイラがカテドラルに安置されていますが、真偽のほどは定かではないようです。
写真7:カテドラル
さて、COP20の1週目が終わり、折り返し地点を過ぎました。1週目の進捗状況は、以下の通りです。
(1) 2020年以降の国際枠組みに関する議論
今回の2020年以降の国際枠組みについて議論している強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)では、ADP共同議長が準備した2つの文書を基に議論を進めています。1つ目は、COP20の閉会会合で採択することになる決定案です。2つ目は、交渉テキストの要素に関するノン・ペーパーです。これは、各国から出された2015年合意の要素に関する意見や提案をアップデートし、決定文書案の形式で整理したものです。後者の文書については、リマ会合後も議論が続けられることになります。
1週目は、この2つの文書について、各国が意見を述べたり、修正案を提示したりする作業にほとんどの時間が費やされました。各国から出された修正案等を基に、共同議長が文書を修正し、8日朝に提示することになりました。
(2) 科学上及び技術上の助言に関する補助機関(SBSTA)と実施に関する補助機関(SBI)の作業
5日にSBIが休会、6日にSBSTAが閉会し、もめているために結論が出せない議題(後述)以外の作業を終了しています。残っている議題については、COP20/CMP10議長は、その権限で、SBI議長及びSBSTA議長に対し、協議を続けるよう要請しました。この起源は、9日(火)のお昼です。
残っている議題は、以下の通りです。
表1:協議が継続されている議題(12月7日時点)
火曜日から、閣僚級会合が始まります。2020年以降の気候変動対処のための国際枠組みに関する議論について、そして、交渉が膠着している問題について、政治的意思がどのように道を開き、COP21(パリで開催)にどのようにつなげられるかが注目されます。
参考資料:
Negotiation Updates COP 20 / CMP 10(英語)(アクセス日:2014年12月7日)
http://unfccc.int/meetings/lima_dec_2014/items/8714.php
文・写真:久保田 泉(国立環境研究所社会環境システム研究センター主任研究員)