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vol.4 産油国の言い分-条約4条8,9項、議定書3条14項

国の経済を化石燃料の輸出にたよっているOPEC諸国など産油国は、条約や議定書の約束を達成するため、附属書I締約国が実施する対応措置によって経済的な影響を受けるとし、補償を強く要求しており、大きな問題となっています。
産油国はこの議論が進まないならば、COP6で京都メカニズムや遵守制度などの詳細なルールに関する議論も進めないなどと、強い姿勢を示しています。
また、附属書I締約国が補償措置を実施したかどうか報告させ、審査することを5条、7条、8条の会合で提案したり、もし実施なかった場合は、何らかの罰則が課されるように遵守制度の会合でも提案するなど、あらゆる会合で附属書I締約国に対し大きなプレッシャーをかけています。

今日のプログラム

10:00 – 13:00 京都メカニズム
10:00 – 12:00 条約4.8項、4.9項、議定書3.14項(開発途上国への支援と補償問題)
12:00 – 14:00 議定書の5条、7条、8条に関するガイドライン(排出量と吸収量のモニタリング、報告、審査)
15:00 – 16:30 キャパシティー・ビルディング(非附属書I締約国)
15:00 – 16:30 遵守制度
16:30 – 17:30 全体会合(プレンナリー)
17:30 – 19:00 条約4.8項、4.9項、議定書3.14項(開発途上国への支援と補償問題)
17:30 – 19:00 技術移転
19:00 – 21:30 政策と措置
19:00 – 21:30 土地利用、土地利用変化と林業(いわゆる吸収源)

ピックアップ -交渉グループ-

温暖化の交渉会議では、利害の合った国が集まって交渉グループを作り、協力しあって議論を進めています。個々の国の動向よりも重要になる局面も多く目が離せません。今回はこの交渉グループを紹介します。

アンブレラグループ

アメリカ、日本、カナダ、オーストラリア、ノルウェー、ニュージーランド、アイスランド、ロシア、ウクライナによるグループです。最近OECDに加盟したメキシコと韓国も参加するようになりました。京都メカニズムなどで共同で提案をしています。

EU(European Union)

欧州連合に加盟する15カ国によるグループです。6ヶ月ごとに議長国を持ち回りで担当し、共同で提案を行っています。EC(European Community)自体の条約締約国のひとつとなっています。 現在の議長はフランスです。

G77+中国(Group of 77 and China)

開発途上国のグループ。G77は、1964年に設立され、132の開発途上国が参加しています。議長国が、持ち回りで決められ、会議ではたいてい議長国が代表して発言します。しかし、気候変動問題においては、国によって意見が違うため、各国が発言することも多いです。また、G77の中でもそれぞれの利害によって以下のようなグループが作られています。現在の議長はナイジェリアです
1. 小規模島しょ国(Alliance of Small Island States,AOSIS)
国土の海抜は低い国や、島国によるグループです。43カ国が参加しています。海面上昇など気候変動の影響にもっとも脆弱が国の集まりです。附属書I締約国に対し、早期対策と適応措置への支援を要求しています。
2. 石油輸出国機構(OPEC)とアラブ諸国産油国のグループ
附属書I締約国がとる対策によって経済的に悪影響を受けると補償を要求しています。(OPEC = Organization of Petroleum Exporting Countires)

Fossil of the day(今日の化石賞) 

毎日、京都議定書の抜け穴を広げるような発言をした国にNGOから「Fossil of the day (今日の化石賞)」の称号が贈られます。一位の国には石油缶が3つ、2位と3位には1つづつ賞品として授与され、最終的に賞品を一番多く獲得した国が炭素大賞に輝きます。その様子は、こちらからご覧になることができます。
2000年9月7日の「Fossil of the day (今日の化石賞)」
一位 サウジアラビア
受賞の理由 「あらゆる会合で補償問題を持ち出し、議論の進行をブロックしたから。」
二位 ノルウェー
受賞の理由 「京都メカニズムの議論で、開発途上国の提案を附属書I締約国の国々が否定したその口火をきったから。」
三位 該当なし

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