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1-3 温暖化の原因は?

  • 地球の平均気温が14℃と生物に適した温暖な状態に保たれているのには、地球を取り巻く大気が大きな役割を果たしています。大気中に含まれるある種の気体は、太陽光により暖められた地表面から宇宙空間に向かって放射される赤外放射を吸収し、それを地表面にむかって再放射しています。この作用のため に、大気は暖められ、温暖に保たれているのです。こうした気体を温室効果ガスと呼びます。もし、このような気体がなければ、地球の平均気温は−19℃であり、氷の世界になってしまうということです。(参考資料・図/温室効果ガスと地球温暖化メカニズム)
     
  • 温室効果ガスとしては、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロン類などがあります。(参考資料・グラフ/温室効果ガスの特徴) さらに、大気中の水蒸気も大きな温室効果を持つことが知られています。
  • このように重要な役割を果たしている温室効果ガスですが、近年、これら温室効果ガスの大気中の濃度が急激に増加してきていて、それに伴い、地球の平均気温が上昇していることが大きな問題になっています。これが、地球温暖化(気候変動)です。
     
  • 温室効果ガスの中でも、地球温暖化に最も大きな影響を及ぼしているのは二酸化炭素です。地球温暖化の6割は、二酸化炭素の増加による影響とされています。(参考資料・グラフ/温室効果ガスの地球温暖化への寄与度) 特に、日本においては、排出される温室効果ガスの9割以上は二酸化炭素です。(参考資料・グラフ/日本における温室効果ガス別排出量)
  • 18世紀に始まった産業革命により、石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料の使用が急増し、大気中の二酸化炭素濃度は産業革命以前(1750年頃)に比べ約40%増加しています。(引用文献*1)、(参考資料・グラフ/二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の大気中濃度の変化・過去1000年)
  • 二酸化炭素は、近年、私たちが地中から石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料を大量に掘り出して燃やしていることに伴い、大気中の濃度が増えてきています。化石燃料は、燃やすと大きなエネルギーを得ることができますが、大量に二酸化炭素を大気中に放出します。化石燃料を燃やすということは、私たち人間が便利で快適な生活をしてエネルギーを大量に消費するようになったことと深く関係しています。例えば、自動車などの交通機関の燃料として、工場での燃料として、電気を発電するときの火力発電所での燃料として、暖房用の燃料として化石燃料は燃やされています。また、植物は光合成の際に二酸化炭素を吸収しますが、森林が刈り払われて、土地が開発されていることも二酸化炭素の増加に影響を及ぼしています。二酸化炭素を吸収する森林が失われるために増加の影響を与えているのです。
  • 同じく温室効果ガスの一種であるメタンは、腐ったゴミ、水田などから発生するほか、牛や羊、山羊などのゲップにも含まれています。
  • 一酸化二窒素は、物の燃焼や窒素肥料の施肥などにより発生します。  
  • フロンガスは、人間が全く新たに作り出した人工化学物質で、スプレー缶や冷蔵庫・エアコンの冷媒などとして使われてきました。オゾン層の破壊の原因物質 でもあることが判明したため、1987年にできたオゾン層保護の国際的な約束「モントリオール議定書」により規制されることとなりましたが、そのかわりに 近年使用量が増えているのが代替フロン(HFC、PFC、SF6等)です。これらはオゾン層を破壊することは少ないので、フロンの替わりに使用されること が多くなって使用量が増えているのですが、強力な温室効果ガスであることには変わりがないので、地球温暖化の面からは問題となっています。
  • いずれも、温室効果ガスの増加には人間の生活・生産活動が大きく関与しているのです。  
    IPCC第5次評価報告書においても「人間活動が20世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な要因であった可能性が極めて高い(可能性95%以上)」と発表しているのです。(引用文献*1)

引用文献

*1 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「第5次評価報告書」2014年

もっと知りたい人へ

すぐ使える図表集 大気中の二酸化炭素濃度の推移(緯度別)
大気中の二酸化炭素の濃度が特に、北半球で増えている様子がわかります。

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