さて今回のCOPではさすがに3回目ということで心に少し余裕がありました。それで気になるセミナーにいくつか参加してきました。以下では参加したセミナーについていくつか紹介したいと思います。
まずCOPを主催するUNFCCCのパビリオンで開催される国家適応計画に関するワークショップ「UN4NAPs」に参加しました。
ワークショップの風景はこんな感じで、アフリカを中心に様々な国の方々が参加していました。議題はNAP※策定に関する課題とそれを克服する技術等についての情報交換です。私は、日本にはAP-PLATという科学ベースの適応情報プラットフォームがあって、例えば気候予測情報を簡単に入手できるClimoCastというツールがある、ということをしっかり宣伝してきました。セミナー中、セミナー後に何人かからツールについて実際に質問を受けて、とても好感触を得ることができました。
※NAP(National Adaptation Plans)とは、国別適応計画のこと。
気候変動は開発途上国の開発能力に悪影響を及ぼすと予想されており、国々の長期的発展と安全保障を確保するには、適応能力を強化し、気候変動影響に対する人間・自然システムの脆弱性を軽減することが不可欠である。
開発途上国は、脆弱性を評価するためにNAP(国別適応計画)プロセスを利用することで気候変動に対処するための適応策を各国の開発政策に統合することができる。開発途上国のNAPの策定には、政府による打開策や行動が必要な分野に関する知識の不足、適応に関する普遍的な指標の不足が課題となっている。
次に韓国パビリオンで開催されたKorea’s Climate Crisis Response Policy & Technologyと題するセミナーに参加しました。主催はKorea Environmental Institute(KEI)で、韓国の環境研究所です。緩和と適応、それらを推し進める技術・政策の話がいい感じで融合されていて、とても興味深いセミナーであるとともに大変勉強になりました。
このセミナーにはAP-PLATチームの吉田研究員もパネリストとして登壇しました。うまく日本の適応政策のフレームワークを説明していました。
セミナーの後、韓国パビリオンの前で記念撮影。左から吉田研究員(NIES) 、Hannaさん(Korea Environmental Institute)、私。KEIにはNIESの適応センターと同じように韓国気候変動適応センターがあり、今後も連携を進めていく予定でもあります。
WMOパビリオンで開催された「Early Warning for All」※に関するセミナーに参加しました。WMOだけでなくUNDRR(国連防災機関)、途上国ユーザー、技術機関等がパネリストとして参加し、様々なステークホルダーを巻き込んで着実にこのイニシアティブが進み始めていることがよくわかりました。
Early Warning for AllはWMOが中心となって進める世界的なイニシアティブです。AP-PLATもこの世界的な流れに何か貢献できればと思います。
※Early Warning for All(全ての人に早期警報システムを)とは、地球上のすべての人をますます深刻化する、異常気象・異常気候から生命と生活を守るために早期警報に関するサービスを実現するための世界的イニシアティブ。
WMOのセミナーで、UNFCCCのセミナーで知り合ったWMOのAmirさんと再会しました。Amirさんは我々が開発するClimoCastと同様のユーザーフレンドリーな気候予測情報ツールを開発しており、お互い別々に作業をしても効率が悪いので、今後は協働して行きましょうと話し合いました。
日本パビリオンでもEarly Warningに関するセミナーがあったので、聴講しました。日本でも日立やウェザーニュース等の企業がEarly Warningに関する技術開発をしていることがよくわかりました。
発表しているのはタイの天然資源環境省のティーラポンさん。6月にバンコクに行った際にお会いした方でセミナーの後に少しご挨拶できました。
サモアにあるSPREP/PCCC(太平洋地域環境計画事務局/太平洋気候変動センター)のOfaさんと道端でバッタリあって、ハグand写真撮影。我々が主催するAP-PLATセミナーにもパネリストとして登壇して頂きます。ありがとうございます!
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COP3年生が見たCOP28@ドバイ―AP-PLATセミナー編