地球温暖化の基礎知識

概要

地球を包む温室効果ガス

地球の表面には窒素や酸素などの大気が取り巻いています。地球に届いた太陽光は地表での反射や輻射熱として最終的に宇宙に放出されますが、大気が存在する ので、急激な気温の変化が緩和されています。とりわけ大気中の二酸化炭素は約0.04%とわずかですが、地表面から放射される熱を吸収し、地表面に再放射 することにより、地球の平均気温を14℃程度に保つのに大きな役割を演じています。こうした気体は温室効果ガスと呼ばれます。もし、このような気体がなけ れば、地球の平均気温は−19℃であり、氷の世界になってしまいます。
イラスト18世紀後半頃から、産業革命に伴い人類は石炭や石油などを大量に消費するようになりました。これによって大気中の二酸化炭素の量は産業革命前(1750年頃)と比べ40%程増加しました。二酸化炭素の排出量と世界平均地上気温の上昇変化はおおむね比例関係にあるとされています。ゆえに、これからも人類が同じような活動を続けるとすれば、地球の平均気温は今より上昇すると予測されています。
IPCC第5次評価報告書によると2100年の世界地上平均気温は、現在(1986-2005年)と比較して0.3~4.8℃上がると予測されています。日本において排出される温室効果ガスの9割以上は二酸化炭素ですが、メタンなどの他の温室効果ガス、とりわけフロンなどの人工の温室効果ガスは二酸化炭素の数千倍の温室効果があり、わずかな量でもその影響が心配されています。このように、地球温暖化は二酸化炭素やフロンなどが原因であり、これは人為的な活動に起因することは、疑いの余地はありません。

気温が上昇すると

例えば気温が2℃上がると私たちにどのような影響があるのか、なかなか実感しにくい面があります。しかし、これまでの経験では、かつてない猛暑だと言われた年でさえ平均気温にすると平年より約1-2℃程度高かっただけです。このように、わずかな平均気温の上昇によっても大きな影響が現れてきます。
イラスト平均気温の上昇は、夏の熱中症の患者増加の原因となるでしょう。また、極端に少雨の年と多雨の年が出現し、水問題は干ばつと洪水の二極化になっていくと言われています。時間雨量100ミリ以上の豪雨の回数が増加していることも確認されています。
また、海水の温度上昇も確認されており、これにより強大な台風が発生しやすくなると言われています。強大な台風は豪雨や強風はもちろん、高潮による危険地帯の増加も懸念されています。海岸沿岸地域では海面上昇による砂浜の減少に加えて高潮のリスクも高まります。
2014年8月にはヒトスジシマ蚊の媒介によるデング熱の症例が約70年ぶりに日本で報告されました。ヒトスジシマ蚊は、近年、温暖化によってその生息域が広がっています。日本でも、生息域が次第に北上していることが確認されており、2010年の調査では、青森県内で初めてその生息が確認されました。2035年には本州の北端まで、2100年には北海道まで拡大すると予測されています。
地球規模で見ると、海面が上昇して数多くの島々が海に沈みます。特に、マーシャル諸島や低地の多いバングラデシュでは大きな被害がでます。また、温暖化は異常気象を招き、地球上の各地で水の循環が影響を受けます。この結果、洪水が多発する地域がある一方、渇水や干ばつに見舞われる地域も出てきます。
日本では、これまで食べてきた美味しいお米がとれなくなり、病害虫の懸念も増大します。高温や多雨はウンシュウミカンをはじめとした日本の果実栽培にも品質低下を招きます。
こうした気候変動は世界的な農産物の収穫にも大きな影響を与え、国際相場が大きく変動します。とりわけ食糧の輸入依存度の高い日本への影響が心配です。

私たちにできること

イラスト日本における温室効果ガスの排出は、大半が産業活動に起因しています。とりわけ二酸化炭素の排出はエネルギー需要に左右される面が大きく、このため、産業界における徹底した省エネやエネルギー転換などが進められ、これからもより積極的な対策が期待されます。政府はこうした活動を支援し、さらに自然エネル ギー利用などを促進するため、経済的なインセンティブの導入などを積極的に推進しようとしています。
一方、日本経済を根底で支えているのは私たち国民の一人一人であり、温暖化を防止するためには、私たちのライフスタイルを変革することが不可欠となります。できるだけ不要なものを買わず、大事にものを使い、再利用やリサイクルを心がけることは大変重要なことです。また、節電をしたり、外出時の車利用を自転車や公共機関に切り替えたりする努力も必要です。太陽光パネルを設置したり、自然エネルギーを取り入れたり、創エネも積極的に取り入れるといいでしょう。
生活の中でできるかぎり資源・エネルギーの無駄使いを排除し、再利用やリサイクルを推進していくことが、循環型社会・低炭素社会を構築し地球温暖化を防止する基本となります。
ぜひ、家庭で取組む節エネガイドを参考に、できることからひとつずつ始めてみましょう。

参照文献:IPCC第5次評価報告書(2014年)

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